やまもと薬局ホーム

糖尿病

糖尿病で考えなければならないこと

糖尿というと血糖値を下げることばかりに目が行きがちだ。だがもっと血管や神経を守ることの方に意識を集中すべきだ。逆に神経や血管が守られるなら、血糖値は高いままでも構わないとさえいえる。乱暴に聞こえるかもしれないが、これが真実である。糖尿病の本質を考えれば、すぐ出る答えである。

糖が高いとなにが悪いか

糖は、からだにとって熱源であり燃料である。平たく言えば燃やすということである。その糖が多すぎると不完全燃焼を起こす。紙や木材が不完全燃焼を起こすと発生するのは一酸化炭素だが、人間のからだの中では活性酸素が発生する。活性酸素とは、金属をサビさせる力が強い酸素を想像すればよい。空気中の酸素に比べて相対的に酸化力の強い酸素と言い換えることもできる。からだの中で発生する活性酸素には何種類もあって、それぞれに酸化力が違うが、最も強いものでは、空気中の酸素のなんと一万倍もの酸化力を持つものまである。酸化力が一万倍というと、新品の10円玉が一晩で真っ黒になるほどの酸化力である。血糖値が標準でもこれら活性酸素は発生するのであるが、それはそれでよくしたもので、人間のからだにはそれを分解処理・無毒化するシステムが備わっていて、発生した活性酸素の95%は消すことができる。そして残った5%で外から侵入して来たウイルスや細菌、有害物質を殺菌・無毒化している。糖尿病では、このバランスがくずれ、からだの活性酸素を処理する能力をはるかに上回った活性酸素が発生するため、血管や神経をボロボロになるまで酸化し尽くすのである。糖尿病で怖いとされる合併症をみれば、そのほとんどが血管と神経に関係するものばかりなのだ。

血糖値を下げるには

血糖値を下げる方法としては、次の3つに分類することができる。
1.インスリンをたくさん作れるようにする
2.働きのいいインスリンを作るようにする
3.糖の吸収スピードを遅らせる
1と2は、すい臓がダメージを受けてはいるものの、まだ元気を取り戻せる程度ですんでいる場合にのみ可能だ。ビタミン・ミネラルをトータル的にかつ十分に摂取し、またインスリンを作るための原料となるアミノ酸やクロムというミネラル分を補給すればよい。すい臓に元気になってもらうため、血管の弾力性を取り戻し、血流を改善し、すい臓に酸素と栄養が十分行きわたるようにしてやるのだ。アミノ酸は、よほど肉も魚も嫌い、豆類も食べないという人でない限りは、ふだんの食事で十分である。3は、同じカロリーでもできるだけ消化吸収の緩やかなたべものを意識して食べることが血糖値の立ち上がりを緩やかにする。簡単に言えば「消化のわるいもの」ということだ。ごぼうやキノコ、海藻、豆などが良い。反対にニンジンやイモ類、いわゆる「白物」といわれる精白米、パン、麺類はできるだけ避けた方が良い。スパゲッティは、おなじ麺類といっても、やや消化の悪い部類に入るので食べ過ぎなければ大丈夫だ。

食後すぐに動こう

血糖値がピークになるのは、食後30分だ。このとき、すぐに使われない糖分は、グリコーゲンという貯蓄用型に作り変えられることは前にも書いた。しかしグリコーゲンにするといっても魔法のようにぱっと作り変えられるわけではない。多少の時間を要する。エネルギー源として使われず、グリコーゲンにもなれないだぶついた糖分は、中性脂肪やコレステロールに作り変えられる。グリコーゲンにするよりは圧倒的に時間と手間がかかるので、影響は限定的だが、それも程度の話。慢性的に糖分がだぶついた状態が続くと、それほど血糖値が高くない人でもコレステロールや中性脂肪の数値が上がる。とくにグリコーゲンの貯蔵庫である筋肉の量がもともと少ない女性にあっては、すぐに倉庫が一杯になってしまう。これ以上グリコーゲンは、作っても仕方がないと判断したからだは、いくらでも行き先のある中性脂肪やコレステロールを作り始める。こういった悪循環を断ち切るためには、食べてすぐ動くのが良い。からだを動かして、少しでも多くの糖分を消費し、だぶつきを少なくすることだ。胃腸が弱い人は、消化優先で食後の一服はいいとして、そうでなければ、すぐに動くべきである。ただし、消化というものはからだにとってかなりの労力を要するけっこう大仕事なので、過激な運動はしない方が良い。後片付けの炊事や、軽い散歩程度でよい。

インスリンとは

インスリンとは、すぐに使わない糖を保存のきくような形に作りかえるホルモンである。グリコーゲンという、ちょっと燃えにくい形体に作り変えるのである。糖のままで過剰に存在すると、先に書いたように中途半端に燃えて不完全燃焼を起こし、からだの害になる。だからわざと燃えにくいような成分に作り変える必要があるのだ。といってもいざ必要なときにすぐ取り出して使えないのでは不便である。グルカゴンというホルモンがあって、グリコーゲンをすぐに元の糖に戻せるようなシステムになっている。インスリン自体はたんぱく質の一種で、51個のアミノ酸からなる。分子量は5808。