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便秘

副交感神経〜便秘はまずリラックス

朝、トイレにいってふんばってこないとすっきりしないという方はさておき、便秘症のひとにとってはふんばるのは厳禁です。ますます状態を悪化させること間違いありません。便が出るのは、大腸が便を押し出す運動によっておこります。大腸が動くには、副交感神経というリラックスしたときに初めて作動する神経が働いていなければなりません。ふんばっているときは、カラダが緊張状態にあるので副交感神経が作動できず、その結果、大腸はウンともスンともいわなくなってしまうのです。トイレに座ったらとにかくなにもせず、ひたすらボーっとすることです。そしてこれがまた、便通に関わるもうひとつ別の重要な要素の大きな助けとなるのです。その重要な要素とは、条件反射です。梅干を見ると、食べたり匂いをかいだりしなくても唾液(つば)が出てきますが、おなじことが便通にもあてはまります。トイレに入ったということを脳が認識すると、大腸を動かす指令が副交感神経に反射的に伝えられるのです。便秘を改善しようと思ったら、もよおしてくるのをまっていはダメです。毎日ほぼ同じ時間に、もよおしてくるのと否とに関わらず、とにかくトイレに座るという行為が大事です。

体内時計〜規則正しくトイレにすわろう

毎日決まった時間にトイレへ座ることは、便秘の改善には絶対に必要不可欠です。これなくして便秘を治そうとするのはほぼ不可能といってもよいでしょう。便通には体内時計が関わっているからです。体内時計は、生物時計とかサーカディアンリズムなどとも呼ばれますが、睡眠や血圧調整、免疫をはじめ、体の中で起こっているあらゆる生命現象を管理しています。体内時計は脳の視床下部というところにあって、約25時間周期ではたらいていることがわかっています。一日は24時間ですからそれより約1時間ながいことになりますが、眠っている間に脳の中で分泌されるホルモンや、明け方の光を浴びたりすることによって自動的に修正されるようになっています。こと、朝日を浴びることは非常に重要です。ですから寝起きの時間の不規則な人や、雨戸を締め切ったまま8時9時まで寝ている人は体内時計がくるいやすいといえます。体内時計が関わっていることとしては、海外旅行へいったときなどの時差ぼけや、年齢や性別を問わず増えつつある不眠症が最もよく知られているところでしょう。体内時計は、ひとによってもちがいはありますが、非常にデリケートであるといえ、生活習慣の不規則やストレス、たべものや身の回りの環境のちょっとした変化ですぐくるいます。旅行へ出かけると眠れないとか、便秘になるなどというのはみなこの類です。しかし、いつもトイレに入る時間が決まっている人にとっては、そんなことはまったく心配いらないのです。旅先であっても決まった時間がくると自然トイレにいきたくなるものです。また、たとえトイレにいきたくならなくても、いつもの時間にトイレに座り、ただボーっとするだけで、ふしぎと便意をもよおしてくる、そういうものです。条件反射と体内時計。この二つは便秘の改善の最重要事項です。

胃・結腸反射〜朝食の役割

誰でも一度はみぞおちのあたりが痛いとか、ムカムカしたり重いといった経験があると思いますが、ふつうはそれを十人中10人のひとが「胃が痛い」あるいは「胃が重い」と表現します。それは、みぞおちのところに胃があることは知っていても、そこまで大腸がきていることはあまり知られていないからです。また、知っていても「大腸が痛い」とはいいませんね。いずれにせよ大腸は、便のたまるところというイメージが強いので、どちらかというとお臍よりした−下腹部にあるものだとおもいがちなことはたしかです。ところが実際には、大腸は、お臍の右斜め下のほうからはじまって(盲腸)、そこから右の肋骨のあたりまで上がっていき(上行結腸)、左へ折れて胃の下面に接しながら左側の肋骨のあたりへむかって上腹部を横断し(横行結腸)、そこから今度は下へ向かって折れてお臍の左斜め下まで降りていって(下行結腸)、そしてはじめてカラダの真中のほうへ行って(S状結腸)、直腸、肛門へとつながってゆきます。このように大腸は、おなかの中を時計回りにぐるりと大きく迂回しているのですが、このことが便通に非常におおきな意味を持っています。たべものが胃に入ってくると、胃がふくらみますが、するとそのすぐ下にある横行結腸が圧迫されます。ぎゅうっと圧迫された横行結腸は、それが引き金となって便を押し出す動きを開始します。便を押し出す腸の運動を『ぜん動運動』といいますが、胃からの圧迫をきっかけに横行結腸から始まったぜん動運動は、さらに下行結腸、S状結腸、大腸へと伝わり、そしてやっと便が排出されます。また、話が前後しますが、胃がふくらんで横行結腸が圧迫されることで初めてぜん動運動が起こるこの反応を『胃・結腸反射』といいます。反射とはいっても神経を介しての反応というより、物理的刺激の影響が大きい反応なので胃-結腸圧迫刺激反応といったほうがよいかもしれません。

さて、その『胃・結腸反射』ですが、その仕組みを考えると、朝のおつうじを毎日きもちよくすませるためには、朝食の役割がとても大事であることがわかると思います。それから、起床時にコップいっぱいの水や牛乳を飲むとよいというのも同じ効果を期待してですが、あまりおなかいっぱいに水分をとれるものではないし、たとえできても”みずあたり”をして胃腸の調子を崩してしまっては元も子もないので、やはり朝食をちゃんととるに越したことはありません。もっとも水や牛乳には、圧迫刺激以外に「冷たい」という温度刺激を期待するむきもあり、それなら量を飲まなくてもよさそうですが、冷たいものというのは、カラダに熱をおこそうとする反応を起こさせるため、かえってカラダが緊張してしまい、ぜん動運動を起こす神経である副交感神経の働きを止めてしまう可能性があります。水や牛乳を飲む方法が合っている人ならよいのですが、そうでなければきちんと朝食をとるほうを選んでください。また、補足ですが、よく便秘にはおなかを「の」の字にマッサージするのがよいといわれますが、どうせするのであれば、お臍の周りや下腹部よりも、みぞおちのほうを重点的にマッサージしたほうが効果的であることは、これまでいってきたことからわかると思います。

腹圧〜トイレでの姿勢

さて、いざトイレに坐っても、ふだん便秘がちな方なら、なかなかもよおしてこなくて、やきもきしてしまい、いつもの癖でついふんばってしまうということになりかねません。それではとても常習便秘から抜け出すことはできません。便座に坐ったときの姿勢にポイントがあります。トイレに坐ったら、まず、頭を起こします。次に、起こした頭が下がらないようにしながらあごをひきます。視線が、水平より、若干ですが、上になるようでなければいけません。そしてさらに第3胸椎あたり(左右の肩甲骨にはさまれたあたりの背骨)を意識して、背すじを伸ばすようにします。背すじを伸ばすとき、両肩をうしろに引くようにすると、余計なところに力を入れることなく自然に背中はのびてくれます。それから同時に、肋骨弓の左右両ワキのところものばします。ちょっとおなかを突き出すような感じでやると、うまくできます。これで、前かがみになってまるまっていた身体がのび、ゆるんでいたおなかが張って、わざわざふんばったりしなくても、息を吸うたびに、腸の便をおし出す運動を起こすだけの自然な腹圧がかかります。呼吸はなるべく鼻でしてください。そのほうが気持ちがリラックスできますし、なにより息を吸ったときにおなかの膨らむ感覚とここちよい腹圧を感じるはずです。蛇足ですが、背すじがのびると、一瞬、頭がすっきりするような、あるいは眠気のさめるようなかんじを覚えます。神経のとおりのよくなった証拠です。脳がスッキリすれば、条件反射も起きやすくなります。トイレでの姿勢の基本は、和式でも洋式でも同じです。ただ、和式のときには、身体をそらしすぎるあまり、後ろにひっくり返らないように注意してください。

直腸15cm〜便は毎日これだけは出しておこう

便は

育便〜

便の組成は、60%が腸内細菌、30%が腸の壁が剥がれ落ちたもの、残りが水分です。

便秘克服その他あれこれ

そのほかにも、いくつかこういったことをやると、便秘解消の助けとなるというようなことをご紹介します。
1)朝、目がさめたら布団の中で、仰向けの状態で、5分くらい両手をみぞおちのところに重ね置きじっとしています。このとき、さすったり押したりしてはいけません。ただ置いておくだけです。若干重さをかんじる程度で充分です。
2)かかとを、とんとん上下させます。もちろん立ってやります。振動を、少し胃に感じるようなのが理想的です。軽くジャンプするくらいでもかまいません。ただし、あまりつよくやりすぎたり、へとへとになるくらいやってしまうと、かえって交感神経(興奮神経)が働いてしまって、便通には逆効果になるので注意です。